こんにちは、sadachi. です!
中国は、6月30日に全国人民代表大会常務委員会を開催して、「香港国家安全維持法(香港国安法)」を全会一致で可決、成立させています。
これにより、香港の行政や司法に中国政府が介入することが可能になり、1997年の中国返還後に香港の高度な自治を支えてきた「一国二制度」の骨抜きは決定的となり、共産党独裁の中で何とか保たれてきた香港の自由は、瀕死の危機に直面しているといえます。
それにしても中国は、よくも悪しくもすごい国ですね。
あれほどの香港での抗議活動が続いているのに、またアメリカやイギリスなど経済制裁も辞さないと反発しているのに、法案可決が全会一致だったんですからね。
反対でもしたら、即粛清なんてことになると気持ちはそうであっても、おいそれとは反対できないんでしょうね。
今回「香港国安法とは?わかりやすく解説一国二制度骨抜き!即日施行で逮捕」と題しまして、香港国家安全維持法についてまとめてみましたので、参考にしてくださいね。
それではさっそく、本題へいってみましょう!
Contents
7月1日は、香港がイギリスから中国に返還された日なんですね。
例年この日は香港で大規模な民主化デモが起こりますので、その前の6月30日中には成立、即日施行という中国政府の思惑が見え見えですね。
では「香港国家安全維持法(香港国安法)」というのは、どのような法律なんでしょうか。
基本は、「国家分裂」「国家政権転覆」「テロ行為」「外国または域外勢力との結託による国家安全危害」の4つから成り立っています。
これらの組織や計画、実施、参与、ほう助、出資などは国家安全に危害を加える犯罪行為と規定して、最高で終身刑を科すとしているんですね。
また外国人も処罰の対象になることも明記されていて、香港の法律と矛盾がある場合は国安法によって適用されるということですよ。
国家分裂に関しては、「香港および中国その他の地域」とあるので、香港と中国を分離するという言動だけじゃないということがわかります。
ウイグルやチベット、台湾の独立や中国との分離を主張する言動も犯罪とみなされるとしているんですね。
これによって香港では、ウイグルやチベット、台湾の問題についても自由な発言や議論は封じ込められることになってしまったんです。
国家政権転覆では、中国共産党一党支配の終結を提唱したり、議会や警察などの建物を包囲したりすると、国家政権転覆罪に問われる可能性があるといいます。
テロ行為は、勇部派が「政治的思想を実現するため」として行っているデモを、暴力行為全般として含めているので、勇部派デモ隊はテロ組織として鎮圧されてしまうということになるわけなんですね。
例えば、信号機や地下鉄施設の直接の破壊はもちろん、破壊行為のネットでの呼びかけなんかもテロ活動罪に入るらしいですよ。
私たちに一番関係あると思われるのは、4つ目の「外国勢力との結託による国家安全危害」ですよね、これはどういうことなんでしょう。
第29条に、
「外国、外国の機関、組織、その人員のために国家の秘密または国家の安全に関する情報を盗み、探り、買収されて違法に提供すること、外国もしくは外国の機関、団体もしくは個人にその行為を依頼した者、外国もしくは外国の機関、組織、その人員と共謀してその行為を行うこと、外国もしくは外国の機関、組織、人員から直接もしくは間接に指示、コントロール、資金その他の援助を受けて、以下の行為を行うことは、犯罪である」
とあります。
これには、「以下の行為を行うことは犯罪」として、具体的に5つの事例が挙げられているんですね、それが次の5つの事例です。
1、中国に対して戦争をし、武力もしくは武力の威嚇によって中国の主権、統一及び領土の完全性に重大な危害を及ぼすこと。
2、香港政府または中央政府による法律や政策の策定・実施を著しく妨害し、重大な結果をもたらすおそれのあるもの。
3、香港の選挙を操作し、混乱させ、潜在的に重大な結果をもたらすこと。
4、香港または中国に対する制裁、封鎖その他の敵対的行為。
5、様々な不法な手段を用いて、香港の住民の間で中央人民政府または香港政府に対する憎悪を募らせ、重大な結果をもたらす行為。
中国や香港に対して、香港国安法を批判して制裁を加えようとすると、外国の敵対勢力とみなされ犯罪行為に当たるというわけですね。
まさしくアメリカがその範疇に入りますし、日本がアメリカと足並み揃えて制裁側に動いた場合、敵対勢力とみなされるかもしれません。
「香港の住民の間で中央人民政府または香港政府に対する憎悪を募らせる」とありますが、中国の人権問題や非人道、不条理などを外国のNGOや人権団体が批判しても、引っ掛かる可能性はありますよね。
ようするに中国側の受け取り方次第で、香港政府や中国政府に対する犯罪行為だと位置づけることが可能になったということなんです。
これはもちろん、中国本土や香港に滞在しているときだけではなく、外国人が外国で憎悪を募らせる言動をした場合でも、この法律が適用されるとしているんですね。
そういった言動などを過去にしていた場合、うかっと香港に入ったりしたら、その時点で逮捕される公算が大きいということですね。
そして香港と香港の法律に矛盾がある場合は中国の法律が優先され、外国人でも簡単に処罰の対象になるということで、香港国案法を適用するとしているんです。
怖いのは、香港でこの法に違反して逮捕された場合には、裁判が中国本土で行われる可能性もあるということですね、ホント、これは怖いですよ。
中国は中国共産党一党独裁と言える、社会主義を貫いている国ですよね。
その中国に1997年、香港がイギリスから返還されるとしたときに、今までイギリスの統治下のもと、資本主義だったことは周知の事実なんですね。
その際、香港が50年間はそのまま資本主義を採用して、社会主義の中国とは異なる制度が維持されるとしたのが、香港の「一国二制度」だったんです。
ですから香港は、香港自体の高度な自治がが認められ言動や、報道、出版の自由、集会やデモの自由などが保障され、これは国際的な約束ごとだったんですね。
この一国二制度が23年で骨抜きになり、実質的に崩壊したといってもいいでしょうね。
中国政府は香港に、中国の出先機関「国家安全維持公署(国安公署)」を新設し、香港政府の自治権を超える強い権限と治外法権の地位を与えているんですね。
その権限は大きく、国安公署の車両や人員は香港の法執行官の捜査、取り調べ、差し押さえなどを受けないとしているんです。
ようするに、香港政府の管轄を受けずに勝手に何でもできる、香港政府より上位の機関であると位置づけているということなんですね。
香港政府も「国家安全衛生委員会」を新設しているんですが、国安公署の監督や指導を受けるそうで、なおかつ中国政府の顧問も受け入れるとのことですよ。
これは中国が香港を事実上直接支配するものであり、一国二制度の完全否定と言ってもいいでしょうね。
日本政府なんですが、中国が香港への香港国安法を制定したことに対して、改めて不快感を示し、国際的な批判の広がりに歩調を合わせているとのことです。
でも海外の世論などをものともせずに香港市民の不服従と抵抗運動をねじ伏せた習近平指導部の突破力に「まるでブルドーザー、誰も止められない」とあきらめムードが漂っているといいます。
香港国安法の成立前の審議段階の5月28日、日本は中国の孔鉉佑駐日大使に「深い憂慮」を伝えているといいます。
先進7ヵ国(G7)の中で、いち早く中国大使を呼びつけたのは日本で、外務省幹部は「打つべき手は打った」ということなんですって。
また7月1日午前、日本を含むG7外相が「重大な懸念」を明記した声明に、菅義偉官房長官がその声明に触れ「(施行は)遺憾であり、引き続き状況を注視する」と述べています。
遺憾と表現したことに対して、政府筋は「憂慮より重みがある、日本の毅然とした立場を表している」だって説明したそうですよ、何じゃそりゃって感じですよね。
遺憾表明を何回繰り返しても、中国の香港介入を止めることができないのは明白で、香港に関するG7の取りまとめに期待感を示した安倍晋三首相の言動に反発しているそうですよ。
水面下では日本に抗議したそうで、その後も内政干渉だと内々に警告しているそうです。
情けないんですが、安倍政権のある筋は、中国は絶対に妥協しない、習近平国家主席は重大な決意で臨んでいるとし「今後の日中関係を考えれば、できることは限られる」とこぼしたそうですよ。
外交に携わる政府筋は「以前の香港に戻すのは無理だ」と、嘆いたとのことです。
香港のイギリスから中国への返還23周年の7月1日、香港国安法が前日成立後の深夜に即施行されたことを受け、香港島中心部で1万人以上の市民が、同法に反対する無許可のデモを敢行したんです。
香港警察は370人以上を逮捕したといいます、うち男女10人が「香港独立」と書かれた旗やプラカードを所持していたとして、香港国安法が初めて適用されとのことですよ。
警察は、挙動不審と思われた男性の持ち物を検査、リュックサックの中から旗を見つけて逮捕、また「香港独立」という旗を振った15歳少女も同法違反で逮捕されているんです。
香港国安法によって、警察が幅広い範囲に適用する方針の中で、香港から言論の自由が奪われる現状が、早くも鮮明になっているということなんですね。
7月1日は返還記念日ということで、例年大規模なデモが行われてきたんですが、今年は新型コロナウイルス感染症対策としてデモが許可されていなかったんですね。
警察は同法施行を受けて「国家分裂や政権転覆に当たる行為には断固として法を執行する」と警告、しかし反発する市民は同法撤回や中国政府の批判などを叫んでいます。
警官がいきなり催涙スプレーを吹きかけたり、放水車が無差別に市民に水を浴びせたり、男性は地面に組み敷かれたあと後ろ手に縛られて連行されたり、大通りでは市民が逃げ惑ったといいます。
マーズウェイベイでは、昼過ぎに民主派の立法会議員らが200人ほど集まり、香港国安法に反対する平和的集会を開催していたそうです。
まもなく駆け付けた警官隊が「解散」を命じる警告を…そのとき話し合いを求めた男性議員に対して至近距離から至近距離から催涙スプレーをかけたそうです。
現場は怒号と悲鳴が飛び交い、警察は夕方には催涙弾も撃ち込んだといいますから、解散させるためには問答無用というところでしょうか。
香港国安法の施行を後ろ盾に、香港の警官隊は暴力による押さえ込みを格段に過激化しているということなんですね。
抗議活動に参加した男性は、「共産党は国安法で市民を怖がらせる狙いだ。だが、街で要求の声をあげるのは香港人の基本的な権利だ」と話しているそうですよ。
話し合いを求めた市民に対する警察の対応は解せないですね。
成立したその日の深夜に施行が決まっているんですが、警察の隅々まで翌日からこんなに徹底できるものでしょうか。
なんか前もって、指示があったとしか思われないんですが、どうなんでしょうか。
今回は「香港国安法とは?わかりやすく解説一国二制度骨抜き!即日施行で逮捕」と題しまして、香港国家安全維持法についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
国家分裂や国家の安全に危害を加えることを犯罪として位置付け、これは当たり前なんですが、それを積極的に使うことによってデモなどを制圧するというのはどうかと思いますね。
でもこれによって、香港の言論の自由に対する統制を強化するという習近平指導部の姿勢が鮮明になったのは明らかですね。
中国の思い通りにこのまま香港は元通りにはならないのか、それとも香港国安法に反対する市民に打つ手があるのか、私も見守りたいと思います。
もちろん、私が望んでいるのは市民が自由を取り戻すことです。
それでは、今回はここまでとさせていただきます!
最後までご覧いただき誠にありがとうございました!