こんにちは、sadachi. です!
改定日米安全保障条約は、1960年に発行されて今日23日に60年を迎えています。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大の中、日本は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を撤回するという決断を下しています。
またアメリカのトランプ大統領政権下において、日本の防衛費の分担金として約8500億円の負担を求めているとした証言を、当時のボルトン大統領補佐官が回顧録で暴露しています。
韓国と北朝鮮は一触即発の様相を呈し、アメリカと中国の対立も激化の一途を辿っており、日本を取り巻く状況は予断を許さないといっても過言ではないでしょう。
そこで今回は、日米安保条約60年の節目に当たりわかりやすく解説、またメリットや問題点と、いま日本の状況を「日米安保条約わかりやすく!メリットと問題点は?今日60年で矛盾が」と題しまして、まとめてみましたので参考にしてくださいね。
それではさっそく、本題へいってみましょう!
Contents
第二次世界大戦で敗戦国となった日本、日本軍は解体され、マッカーサーを最高司令官とする連合軍最高司令官総司令部(GHQ)によって、民主化が進んでいきます。
一方アメリカとソ連の対立が深まり、いわゆる冷戦が始まり、1950年には朝鮮戦争が勃発しています。
アメリカは日本に米軍基地を置き、朝鮮戦争に介入していくんですが、さらに日本に対しても自衛隊の前身となる「警察予備隊」を発足させているんですね。
日本は、アメリカの極東の拠点として、冷戦体制に否応なしに組み込まれて行くことになります。
1951年には、当時の吉田茂内閣総理大臣が講和条約である「サンフランシスコ平和条約」に調印すると同時に「日米安全保障条約」(以下、日米安保条約)を結び、1952年の4月28日に発効しています。
これによって日本は独立し、GHQは解散、連合国軍による占領も解除されているんですね。
でもアメリカ軍だけは「日米安保条約」の規定に従い、占領軍から「在日米軍」と呼称を変えて、その後も日本に駐留しているんです。
このことは、日本は独立したあともアメリカ軍の重要な拠点であり続けるということなんですね。
そしてこの時の「日米安保条約」は、アメリカによって日本を守るとしていながら、防衛義務が明記されていなかったんです、これでは何の安全保障か分かんないですよね。
それに加えて、日本に内乱が起きた場合はアメリカ軍が出動できるようになっていたそうです、これでは内政干渉になりかねませんよね。
アメリカの采配ひとつで、日本は大変なことになりかねないってことなんですよ。
それらをまとめると、以下の通りになります。
★ アメリカが日本に軍隊を常駐させて、日本を他国の攻撃から守る
★ 日本で内乱が起こったときは、アメリカ軍が介入する
★ アメリカの許可がなければ、他国の軍隊は日本に入れない
★ 在日米軍は、日米行政協定をルールとする
★ 新しいルールができるまで、この条約は有効
これらがおかしいと問題視したのが岸信介内閣総理大臣で、1960年に「日米安全保障条約」を改定しているんですね。
わかりやすくするために、先の1951年に策定したのは「旧日米安保」と呼び、1960年に改定したのを「新日米安保」と呼んでいます。
改定時のポイントは、以下の通りです。
★ 日米どちらかが他国に攻撃された場合は、日米協力して防衛する
★ 日本の内乱に関するアメリカ介入の条項は削除
★ 他国軍に関するアメリカの許可の条項は削除
★ 在日米軍に関しては、日米地位協定で規定する
★ この条約は10年間有効で、その後は1年ごとに更新する
このときですよ、「60年安保闘争」として一般市民や学生らを巻き込んで空前の盛り上がりを見せ、デモ隊と機動隊の衝突の中で東大学生だった樺美智子さんが圧死という悲劇にみまわれたんですね。
10年経過した1970年にも「70年安保闘争」として、条約が自動延長するのを阻止しようと学生たちが立ち上がっています。
1889年12月のマルタにおけるアメリカのブッシュ大統領とゴルバチョフ・ソ連書記長の「米ソ首脳会談」で、事実上冷戦は終結しています。
日本といえば、冷戦が終結した後も「日米防衛協力のための指針」というガイドラインをもとに、国際情勢の変化に対応しながら「日米安全保障条約」は、今日にまで継続しているんですね。
この章の最後に、日米安保条約を巡る経過を確認しておきましょうね!
1951年9月 サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約調印
1954年7月 自衛隊発足
1960年6月 改定日米安全保障条約が発効
1972年5月 沖縄返還
1978年11月 自衛隊と米軍の在り方を規定した日米防衛協力指針(ガイドライン)の決定
1981年5月 日米首脳会談後の共同声明に「同盟関係」と初めて明記
1983年1月 訪米した中曽根康弘首相が「日米は運命共同体」と表明
1989年12月 米ソ首脳、冷戦終結を宣言
1991年4月 湾岸戦争停戦後、海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣
1992年6月 国連平和維持活動(PKO)協力法成立
1995年9月 米兵による沖縄少女暴行事件
1996年4月 日米が米軍普天間飛行場返還で合意、安保共同宣言を発表
1997年9月 朝鮮半島危機を踏まえて日米ガイドライン改定
1999年5月 周辺事態法成立
1999年12月 普天間移設先を名護市辺野古に閣議決定
2001年11月 米中枢同時テロを受け、テロ対策特別措置法に基づきインド洋に海自派遣
2003年6月 武力攻撃事態法など有事3法成立
2004年1月 イラク戦争を受け、陸上自衛隊に人道復興支援の派遣命令
2012年9月 尖閣諸島を国有化。中国公船による領海侵入が常態化
2014年4月 武器輸出3原則を撤廃し、防衛装備移転3原則を決定
2014年7月 憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を閣議決定
2015年4月 中国の台頭を念頭に日米ガイドライン再改定
2015年9月 安保関連法成立
2019年5月 トランプアメリカ大統領が条約に不満表明
まず、日米安保条約のメリットから見ていきましょう!
日本にとって最大のメリットは、日本が他国から軍事的攻撃を受けた場合は、アメリカが守ってくれるということにつきます。
日本は、「日本国憲法」の第9条で軍隊を持たない、戦争放棄を謳っています。すなわち攻撃されても反撃することができない国なんですね。
それをアメリカが守ってくれる、これが最大のメリットといって良いでしょうね。
また、アメリカと「日米安保条約」を結んでいるということは、日本に攻撃を仕掛ければアメリカと戦争することと一緒ですから、抑止力になっていることが大きいと思います。
アメリカにもメリットは大きいんですね。
アメリカは日本に基地があるからこそ、米軍の艦隊は西太平洋からペルシャ湾までの広い海域で活動ができるのです。
例えば、横須賀基地がなければアメリカの空母は、点検修理のために遠路、アメリカ西海岸の基地まで帰らなければなりません。
しかも日本は、年間2000億円もの「思いやり予算」で米軍の駐留を助けているんです。
このことは、日本にとってもプラスになっています。
日米安保条約がなく、日本が単独で防衛予算を組むことになれば、北朝鮮問題や韓国が主張する竹島の問題、中国との尖閣諸島の問題などを鑑みると天文学的数値になることは必至です。
そうなんですね、日米安保は日本にとっても非常に「お得」なんです、いくつかの基地を提供し、思いやり予算をつけることで、世界最強の米軍を後ろ盾として保持できるんですね。
石油の輸送路も安全というのも、大きいメリットのひとつなんですよ。
日米安保条約がないとするなら、中国の次に貿易黒字が多い日本はトランプ大統領の攻撃の的になっているでしょうね。
日本はアメリカ市場への依存が強いですから、いくら日本が中立だといっても、アメリカの制裁相手に加わらない場合、日本が制裁を食らう可能性は十分ありますよね。
アメリカ市場が閉じられでもしたら、日本はたちまち大貿易赤字国に転落してしまうんですよ、日米安保条約はそんなアメリカとの抑止にもなっているんじゃあないですかね。
メリットばかりじゃなく問題点もありますよ。
ひとつは開示されていないですけど、アメリカの言うことには、ほとんど”イエスマン”じゃあないですか。
日本の防衛を依存しているからこそだと思うんですけど、アメリカとは喧嘩ができないんですよね。
国際的にアメリカの主張に反対であっても、婉曲的に、ほとんど遠回しに、言葉を濁して、反対意見はいえずにごまかさなければならないのが日本の現状でしょうね。
さらに深刻なのが、しばしば起こって問題になっている在日アメリカ軍の犯罪行為なんですね。
日米安保条約にもとづいて1960年に締結された「日米地位協定」には、「米兵に対する日本の第一次裁判権の制限」や「日本の警察による身柄確保の制限」などがあるんですね。
ですから、日本国内でアメリカ兵が犯罪を犯したとしても、日本が実際に日本独自の法律で処罰することが困難だったんですね。
1995年に起きた「沖縄米兵少女暴行事件」があったんですが、少女を暴行したアメリカ兵の容疑者たちの身柄を拘束することができなかったんです。
この事件を機に「日米地位協定」は改善はされたんですが、現在でも対等には程遠い関係が続いているんです。
またアメリカ軍基地から発着する航空機の事故なども、侮ることはできませんね。
航空機の墜落事故のリスクはもとより、部品の落下なんかでも市街地に近いこともあり、常に恐怖と隣り合わせということが言えると思うんです。
日米安保条約、こうしてメリットや問題点などを見てくると、日米の関係が深まれば深まるほど、良きも悪しきも深まっていくんでしょうね。
なんだかんだいっても今日で60年、安倍晋三政権は地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を停止しています。
そのミサイル防衛の代替策として、海上基地にイージス・システムを置く「メガフロート」案や、護衛艦にシステムを転用する案が浮上しているそうです。
今夏中にとりまとめたいとして、防衛省や国家安全保障局が対応にあたり、検討に着手したとのことですよ。
このことは、敵基地攻撃能力保有の是非を含む抑止力の議論になりかねず、日本が「盾」、アメリカが「矛」を担う日米同盟の役割が変化し、専守防衛の原則が有名無実化する可能性をはらんでいるといってもいいでしょうね。
これまでも、米国の圧力を背景に自衛隊の役割や装備が強化され、海外にまで派遣されるようになっています。
特に、同盟強化を掲げる安倍首相の復帰後に、日本の防衛費は増額に転じ、防衛力の増強が続いているんですね。
中国や北朝鮮の軍事的台頭があるにせよ、歴代内閣の憲法解釈を変更してまで「集団的自衛権の行使」の容認にも転じています。
これは平和憲法を踏みにじってでも、アメリカと軍事的に対等な「同盟関係」に近づけるのが、安倍首相のもくろみといえるのですが…。
とても「対等な立場」の関係には程遠いのが現実です。
沖縄には今も在日米軍専用施設の70%以上が集中し、県民がどんなに反対しても、新しい米軍基地の建設が強行されていることは周知の事実です。
地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備は停止されたとはいえ、F35戦闘機やオスプレイなど高額な米国製防衛装備品の購入は続けざるを得ない状態です。
河野太郎防衛大臣は、これまでイージス・アショアに196億円支払ったと明らかにし、アメリカがすでに使っている費用については負担しなければならないと話しているそうです。
菅義偉官房長官は、「日米安全保障体制は、わが国の外交、安全保障の基軸であり続けてきた」と強調しているんです。
そして今後の安保政策については「憲法の範囲の中で、また専守防衛の考え方の下で議論していきたい」と述べているんですね。
専守防衛、「矛」と「盾」、日米安保条約は、「盾」の自衛隊は専守防衛に徹し、「矛」である打撃力はアメリカに委ねる、この基本は守ってもらいたいものです。
注)本記事内のツイートに関しては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。皆さまの貴重な情報に感謝いたします…♪
注)アイキャッチ画像に関しましては、「木村てつや⋈ Kimura Tetsuya 自民党千葉4区/ 船橋市」さんのツイート画像を使用させていただいております…♡
今回は「日米安保条約わかりやすく!メリットと問題点は?今日60年で矛盾が」と題しまして、日米安保条約のわかりやすい解説、メリットや問題点、いま日本の状況などをまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
アメリカのトランプ大統領は、秋の選挙で頭がいっぱいなのでしょうね、選挙に有利とわかった事象ならどんな手を打つか、よく見ていなければ痛い目にあいかねません。
なんだかんだいっても世界第3位の経済大国日本ですから、アメリカが右向けといっても毅然とした態度を取ることはできないのでしょうか。
安倍政権の間は無理でしょうか、対等な立場を模索して迎合してきたんですから、最後はピシッと決めてほしいものだと思っているんですがね、安倍さん!
まあ、その前にトランプさんの方が脱落する公算が”大”になっていますね。
それでは、今回はここまでとさせていただきます!
最後までご覧いただき誠にありがとうございました!